日本では桃の節句に雛人形を飾るという風習があり、先祖代々この考えが受け継がれてきています。
初節句を迎える頃になると、どのような雛人形を準備するのかを考えるようになります。
新規に購入することを決めている場合はいいのですが、身内や知人から譲り受けたり、母から子へ、また姉妹で雛人形を使い回すことがいいことなのかどうかという疑問があるかと思います。
そこで今回は、雛人形のお下がりは大丈夫なのか?お祓いが必要?という疑問にお答えしていきます。
また、お祓いの方法に関してもいくつかあったので紹介します。
▽この記事でわかること▽
・雛人形のお下がりは大丈夫なのか?
・雛人形のお祓いが必要?
・雛人形のお祓い方法も調査
雛人形のお下がりは大丈夫なのか?
雛人形を身内や知人から譲り受けたり、姉妹で使い回すというお下がりは大丈夫なのか?
結論を先にお伝えすると、お下がりは大丈夫です。
ではなぜ大丈夫なのか?という疑問が出るかというと、お下がりは良くないという説もあるからです。
下がりが良くないと言う説
「ひな人形は本来人に降りかかる『厄』を代わって受けるお守り」「親子間や姉妹間などを含め誰かに譲るのはよくありません」
「人形は一人にひと飾りずつ持つべきだ」
朝日新聞digitalより引用
このコメントを発しているのは、「日本人形協会」で、その背景にはお下がりなどの雛人形の使い回しにより、雛人形の市場規模が直近3年間で5%ずつ落ち込んできているところにあります。
日本人形協会公式HPより引用
このように、雛人形は本来、人に降りかかる『厄』を代わって受けるお守りとして、身代わりをしてくれているもので、それを譲ったり、譲り受けたりしてはいけないとPRしています。
これにより、「お下がりは良くない」と言う認識が一般的にも根付いてきたことになります。
お下がりでも良いという説
雛人形の歴史に詳しい大妻女子大学准教授の是澤博昭氏によると、次のように語られてます。
「そもそも雛祭りは紙などに厄を託して水に流す行事がルーツであり、誰かに譲ってはいけないなどの文献は確認できない」とのこと。
つまり、専門家の見解によるとお下がりは大丈夫ということになりますね。
「女児の初節句を祝って人形を飾った」という記録が残るのは江戸時代の18世紀半ば。「基本的には、女の子の初節句には、身近な人が何らかの人形を贈っていたと思う」が、「お下がりはだめだと書かれたものを見たことはない」と是澤博昭・大妻女子大准教授。https://t.co/X2F0JzZHqT
— 花びんに水を☘ (@chokusenhikaeme) March 4, 2019
#チコちゃんに叱られる
に日本人形研究の大家
是澤博昭先生が!先生のお顔&動いてる姿初めて見た。雛人形や日本人形についての
ご本が素晴らしいのでご興味おありの方は、ぜひに☺️#ひな祭り #おひなさま #雛人形— さつき。 (@satsuki_momiji) March 1, 2019
しかし、身内からのお下がりはいいですが、他人から譲り受けるのは慎重になり、実物をよくよく見て判断するといいでしょう。
雛人形の本来の意味や由来とは?
雛人形の本来の意味や由来から考えてみましょう。
3月3日はひな祭りの行事は中国から伝わったと言われています。
3月初めの巳の日のことで、この頃に桃の花が咲くので桃の節句とも言われます。
そして、桃の節句に雛人形を飾る本来の意味は「身代わり信仰」から発祥しています。
昔は医学が発達していなかったので、新生児の健やかな発達を願って、人形(ひとがた)や形代(かたしろ)という、紙を人の形に切ったものに、新生児の災いや、穢れが人形や形代に移していました。
それを川に流すことで、新生児は健やかに成長できるという考え方が身代わり信仰です。
この人形(ひとがた)や形代(かたしろ)が江戸時代になると男女一体の人形に豪華な衣装を着せた人形を飾るようになってきたのが、今の雛人形の由来になります。
明治時代に入るとさらに豪華さが増して、7段飾りの形が確立されたといいます。
このように桃の節句に飾られる雛人形は、生まれてきた新生児が、「健康で元気に成長しますように」との願いを込めて飾ります。
本日は雛祭り。元々は旧暦3月の最初の巳の日に水辺で身を清める中国の風習が日本では紙などで作った人形で体をなでて水に流すお祓いとなり、平安時代に貴族の子供の人形遊び「ひいな」と結びついて、雛人形がうまれたとされます。本日の打ち合わせは全員女性だったので雛祭りのお菓子持ち寄りで。 pic.twitter.com/ObvCNP7Ayn
— 水晶玉子 (@Suisho_Tamako) March 3, 2021
新生児の『厄』の身代わりになって、病気やけがをしないよう、守ってくださいねと願って飾るものと考えると、お下がりではなくそれぞれのお子さんに新調した雛人形を用意するのが本来の雛人形の意味になります。
しかし、昨今の生活環境を考えると、設置や保管の場所や、購入費用などの問題からお下がりでも大丈夫と言う風習に変わっています。
ですので、お下がりでも大丈夫かどうかというと、それぞれの家庭の心持ち次第で変わってきますので、家庭内、祖父母などとも相談の上、決めるの最良だと考えます。
雛人形のお祓いが必要?
次に雛人形のお下がりをする場合に、お祓いが必要なのかと言うことが気になります。
お下がりの場合、雛人形に付いた厄まで引き継いでしまってはいけないと考えるようであれば、お祓いをした方がいいでしょう。
しかし、特に気にならないのであれば、お祓いをする必要はありません。
譲り受けたお雛様に、今度は我が子を守っていただけるようにお願いする気持ちを持つことが大切です。
・気になるようであればお祓いをしてもらう
・気にならななければお祓いはせずに使う
このように各家庭の判断で大丈夫のようです。
雛人形のお祓い方法も調査
雛人形のお祓い方法は、神社でお祓いをしてもらうのが一般的といえます。
しかし、神社に持って行くとなると、どこの神社でも人形のお祓いをしてくれるわけはないので、調べてから予約を入れて、当日は時間もお祓いの代金も使うことになります。
そこで自分でお祓いをする方法をお伝えします。
自分でお祓いをする方法
・よごれた人形はキレイに拭いてあげましょう。
・髪の長い人形は髪を束ねてあげましょう。
・太陽光に当ててプラスの気で満たしましょう。
・通気のいい白布や和紙で包んであげましょう。
・最後に粗塩を“感謝とともに”ふりかけましょう。
まとめ
日本では桃の節句に雛人形を飾るという風習がありますが、雛人形はお下がりでも大丈夫なのかを調査しました。
雛人形は、新生児が健やかに成長できるように『厄』を身代わりするという本来の意味があるので、お子様一人ひとりに対して雛人形を新調するのが元々の考えです。
しかし、昨今の生活環境の変化や、物を大切にすると言う視点から、お下がりでも大丈夫であると考えられます。
また、お下がりを譲り受ける場合は、お祓いが必要かどうかという疑問がありますが、こちらもお祓いをしなくても大丈夫です。
しかし、家庭内や祖父祖母との相談をしっかりして、総意の上であることが前提になります。
お祓いをする場合は、神社でやってもらうか、自分でやる方法もあります。
どちらにしても、我が子が健やかなる成長をしてくれることが親の願いなので、お下がりやお祓いにとらわれることなく、桃の節句を楽しみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。