東京2020大会の開閉会式の演出を統括するクリエイティブディレクター佐々木宏さんの、女性軽視問題が話題になっています。
オリンピックの開会式に出演予定だった渡辺直美さんを、ブタとして出演させる演出プランを会議で提案したとこと、あまりにもひどすぎるプランに関係者からは批判を受けて撤回されていました。
そのやり取りのLINE内容が週刊文春の調べで公開されていますが、「ブタ発言」以外にも問題点がもう一つ浮き彫りになりました。
それは、佐々木宏がオリンピックの開閉会式の実質責任者の女性を排除して、自分が責任者になったと報じられていることです。
その女性責任者は振付師のMIKIKO先生であることがわかっています。
今回の件で、佐々木宏さんは辞意を表明し、辞任をすることになり、謝罪文が公開されました。
そこで今回まとめた内容はこちらです。
・佐々木宏が排除した前任の女性責任者MIKIKO先生とは?
・謝罪文の内容とは?
佐々木宏が排除した前任の女性責任者MIKIKO先生とは?
オリンピックの開閉会式の実質責任者だった女性のMIKIKO先生について調べてみました。
MIKIKO先生は?
MIKIKOは、本名が水野幹子(43)さんで、振付師・演出家として活躍しています。
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最近のヒット作品としては、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングテーマの『恋ダンス』で大きな反響を得ていたり、女性ユニットのPerfumeの振付も担当しています。
また、オリンピック関連では、2016年のリオデジャネイロオリンピックにおける、五輪旗引継ぎ式の芸術パートを担当しています。
そして、東京2020大会のオリンピック・パラリンピック開閉会式の4式典総合プロデュースを任されていました。
週刊文春の記事には、MIKIKO先生を排除して佐々木宏が自ら責任者になったと報じられていますが、公開された謝罪文の追記に、この報道に反論する文面がありました。
謝罪文の追記内容とは?
○追記を
お許しください。
文春オンラインを拝読しましたが、オリンピック、パラリンピック、の開閉会式の内容についても、いくつかご指摘があるようですが、昨年春以降のコロナ禍のもと、開催自体が危ぶまれる空気の中で私はパラリンピック開閉会式担当として、かなり準備していたものを、どのようにすべきか、オリンピック・パラリンピック合同の4式典を2式典にするという簡素化プランも考えましたが、叶わず。
そんな中、一年前イベントを池江璃花子さんにお願いし執り行いました。
オリンピック・パラリンピックは、もともと8人の企画メンバーで進めて来ましたが、途中から、私はパラリンピック開閉会式の責任者として、去年初夏まで、企画立案制作に関わりました。
今回の、私のLINE上の発言は、オリンピックの開閉会式の実質責任者MIKIKOさんが、ストーリー強化のために、私に手伝って欲しいという申し出があり、パラリンピック準備の傍らではありますが、パラリンピックのスタッフ数名に呼びかけ、もともとあったオリンピック開会式アイデアをより面白くするための、アイデアフラッシュ会議を進めるという趣旨で、スタッフ限定で、オリンピック演出責任者の方も含めてのやりとりです。
報道に関しては、全て拝読しましたが、私の認識としては、前任者の企画を乗っ取ったかのような内容は、事実ではないと思います。3月までは、開会式演出実質責任者の方に、頼まれ、パラリンピック開閉会式をやっていたメンバーを呼び、MIKIKOさんを前に、アイデアを出し合い、を、何度かやりました。
その中の、私の失言は、その場でダメ出しされて引っ込めたわけです。
その後はコロナ禍で、全てはフリーズ。
また、MIKIKOさんを中心に考えられていた開会式プランは、私が白紙化した事実はなく、演出予算が10億で4式典をやると言われ、私はむしろ、簡素化、安心安全へのコロナ後の、また大幅に予算削減の中で、それまでの企画演出を、LIVEではなく、remoteでできないか、という視点から、MIKIKOさんのプレゼンされた企画書の絵を使い、縮小したりしながらIOCに提案しました。
私のプレゼンが受け入れられなかったのは、感染拡大を防ぐために、入場行進を人数大幅に制限して、とか、それまでの作り始めていた設備を、完成させる、一年後まで保存させる、共に予算オーバーで、無理なので、木を一本立てるだけとか、リモートや、少人数での、簡素化で、Iあまりに簡素過ぎて、ダメだったのかと、認識しています、
それもあり、4式典をやめて、オリンピック・パラリンピック合同の2式典も提案しました。が受け入れられませんでした。
7月には、池江璃花子さんにメッセージを頂き、新聞広告と、国立競技場での、15分間イベントをやりました。
MIKIKOさんは、私にとっては、本当に開会式にはなくてはならない方という認識でしたし、自分は低予算ながら、4式典をまとめて実現する役割、それをパラリンピック開閉会式を元々作り上げたメンバー中心にオリンピック・パラリンピック開閉会式の、ストーリー、流れを作って頂き、オリンピック開会式の、LIVE的なパフォーマンスや、プロジェクションマッピングなどは、MIKIKOさんに、お願いするつもりでしたが、私が、その辺の仕切りをきちんと逐一お話しできていなかったりして、スタッフ、キャストの皆さんに、大変なご迷惑をおかけしたことも、申し訳なく思っています。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
昨年4月以降、コロナ禍で、開催の有無もわからない中、開催を信じて、4式典の元々の予算の5分の一というキツい条件の中で、企画を練り直し、コロナですっかり変わってしまった世の中で開催されるオリンピック、パラリンピックは、どんな式典になるべきかを、寸暇も惜しんで考え、作り続けてくれているメンバーのことを考えると、やはり、ツラいです。
本来、当日まで秘密裏に企画されるべき演出アイデアが、まだアイデアだしのやりとりのLINE上のものがオープンになり、また、どの段階のものを仰っているかはわかりませんが、若い才能豊かなクリエイターが頑張っていますし、決して見劣りしない良い式典を作ってくれると思います。
記事にもありましたが、スタッフに男性が多いというご指摘はその通りです。
私に責任があります。
最後のブラッシュアップ段階ですが、橋本新会長のご意志も伺い、女性のクリエーティブディレクター、アートディレクター、映像監督、などを重要な場面に起用させて頂くつもりでした。
あらためて、渡辺直美さん、今回は大変申し訳ありませんでした。
佐々木 宏
日刊スポーツより引用
佐々木宏さんは、企画を乗っ取ったわけではなく、MIKIKO先生の相談にのったことを強調しています。
「MIKIKOチーム開会式案」の全貌とは?
MIKIKO先生が排除されたことで、日の目をみなかった開会式案の全貌がわかりました!
MIKIKOチーム案の概要
会場を一台の赤いバイクが颯爽と駆け抜けるシーンで幕を開ける。漫画家・大友克洋氏が2020年東京五輪を“予言”した作品として話題となった『AKIRA』の主人公が乗っているバイクだ。プロジェクションマッピングを駆使し、東京の街が次々と浮かび上がっていく。三浦大知、菅原小春ら世界に名立たるダンサーが花を添え、会場には大友氏が描き下ろした『2020年のネオ東京』が映し出される。
週刊文春より引用
『AKIRA』は世界的に人気漫画になっているので、そこを狙ったセンスがネット上でも絶賛されていますね。
そして、三浦大知さん、菅原小春さんのダンスが見てみたい!という声が多数上がっています。
1964年の東京大会を映像で振り返ったのち、「READY?」と合図を送るのは、渡辺直美。過去から現代へと誘う役割だ。女性ダンサーたちが、ひとりでに走る光る球と呼吸をあわせて舞う。世界大陸をかたどったステージの間を、各国のアスリートたちが行進。各種競技の紹介は、スーパーマリオなどのキャラクターのCGが盛り上げていく。
最後に聖火が点されると、花火が開幕を告げる――。
週刊文春より引用
MIKIKO先生の渡辺直美さんのイメージは、ブタではなく、これはなんでしょうか?
私には、はとバスのお姉さんに見えてしまいます。
週刊文春より引用
ネット上では、多くの方からこの開会式案が実現しないのは残念という嘆きの声が多数あります。
渡辺直美さんも、MIKIKO先生の開会式案について熱く語っていますね~
8分10秒~44分30秒で、MIKIKO先生や佐々木宏さんについて自分の意見をはっきり述べています。
渡辺直美さんのところには海外、日本問わず、多くの問い合わせが直接あったそうです。
もし佐々木宏さんの案が採用されていた場合は、絶対にこの仕事を絶対に断っているし、この演出を批判するときっぱり言っています。
なぜかというと、演出がはっきり言って面白くない、ブタである意図がわからないというのが大きな理由です。
そして、海外には今回のブタ案(佐々木宏の案)が日本の演出であるというふうに報道されていることが何より悔しくて、MIKIKO先生案を知っていただけに日本のクリエイティブの素晴らしさが間違った形で海外に流れていることに残念な想いであるとも語っています。
謝罪文の内容とは?
佐々木宏さんは、渡辺直美さんのブタ演出で、女性軽視問題でバッシングを受け、橋本聖子会長に電話で辞意を表明し、謝罪文を公開しています。
○謝罪文
昨年3月の私のLINEのグループラインの中において、オリンピック開会式のアイデアフラッシュを仲間うちでやり取りする中で、私のアイデア及び、発言内容に、非常に不適切な表現がありました。出演者の候補として名前が上がっていた渡辺直美さんに対する演出アイデアの中で、宇宙人と地球人の接点的な役柄で、オリンピックの使者的キャラということで、オリンピックの語尾をピッグという駄洒落にして、オリンピッグという名前のピンク色の衣装で、耳がぶたのはどうだろう、というような発案をしました。アイデアをLINE上で書き、みんなの意見を聞きましたが、すぐに、MIKIKOさんから「ピンとこない、」他のメンバーからは手厳しく「面白くない」「女性を豚に例えるなんてありえない」「一時的なアイデアだとしても、言うべきじゃない」などと、LINE上で、スタッフから非常に怒られ、私も、その場で、大変恥ずかしながら、スタッフからの率直な直言で目が覚めました。メンバー全員にLINE上で謝り、撤回しました。気づかせてくれたことに礼も言ったつもりです。
MIKIKOさんから、オリンピック開会式のストーリー強化を手伝って欲しいというご依頼受けて、パラリンピック担当だった私はパラリンピックの企画チームを呼んで、MIKIKOさんを入れた10名以上のグループで、ざっくばらんにやりとりした中で、私が調子に乗って出したアイデアです。
渡辺直美さんに対しては、大変な侮辱となる私の発案、発言となること。これは取り返しのつかないことです。心から反省して、ご本人、そして、このような内容でご不快になられた方々に、心からお詫び申し上げます。
文春さんから電話取材を受けた段階で、この私のLINE上での、大失言が表に出て、渡辺直美さんにも伝わるときが来たら、責任をとって辞表を出すべきと考えて来ました。
あと数ヶ月に近づいたオリンピック・パラリンピック開閉会式を日々死にものぐるいで準備するメンバーにも、本当に申し訳ない気持ちです。
先程、橋本会長には、夜分ではありますが、お電話で、私の辞意をお伝えしました。
あらためて、辞表を書かせて頂き、お届けするつもりです。
LINEが好きで、内輪でのやり取りのつもりでしたが、今回多くの方に伝わることになり、渡辺さんにはどのようにお詫びをしてもしきれないと思っています。世界的な活躍をされ、個人的にも大変ファンでした渡辺直美さんに、この度のことで、ご不快な思いをさせてしまったことが、本当に悔やまれてなりません。心からお詫び申し上げます。
ふだんは、自分では、多様性、ジェンダー問題、そして、容姿などを揶揄して人を傷つけてはいけないと言うことには、気をつけているつもりでしたが、このようなことで、それがとんでもない勘違いで、自分の意識の低さ、無神経さにあらためて、気づいた次第です。今後は、自分の生活全般、仕事に対する姿勢、日常の言動などについて、猛反省し、意識改革をし、自らの思い込み、偏見、鈍感さ、などを見直し、あらためて、生まれ変わりたいと思います。
この度は、大変申し訳ありませんでした。
佐々木 宏
日刊スポーツより引用
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— 文春オンライン (@bunshun_online) March 17, 2021
まとめ
東京2020オリンピック・パラリンピックの総合プロデューサーである、佐々木宏さんが渡辺直美さんを、ブタとして出演させる演出プランを会議で提案したとして、女性軽視の面で批判を受け、辞職することになりました。
また、オリンピックの開閉会式の実質責任者MIKIKOさんの企画を乗っ取ったという噂が流れていますが、佐々木宏さんはこの事実を謝罪文の追記の部分で否定しています。
佐々木宏さんの後任に誰がなるのかはわかりませんが、橋本聖子会長の手腕が試される時でもあると思います。
どちらにしても、東京2020大会の成功を祈りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。